伽羅農園は、先代であり父である小林正明の手により、荒れていた農地を整備、開拓し形づくられた農園です。
元プロのカメラマンという全く異なる業種から農業への挑戦を始めたのは、父が55才の時。
病気の為、先立ってしまった最愛の妻との長年の夢と約束のためでした。
荒れ野原のようになっていた農地の草を刈り、石を拾い、崩れやすい斜面の造成に試行錯誤し、重粘土の地質を土壌改良し、南高梅の勉強のために和歌山の南部町まで赴き、先駆者の先生や梅農家の方々に指導を仰ぎ、大人の親指ほどの太さの苗を100本植えました。
灌水に苦労し、虫や病気に頭を悩ませ、しかし、科学的な肥料や農薬を使用することは何か違うと言って、あくまでも自然の恵みを受け取ることにこだわった父の努力と忍耐は、言葉には尽くしがたいものがありました。
父を手伝い、婚期を遅らせていた私も、なんとか孫の顔を見せることが出来ましたが、育児の忙しい最中は、農園の仕事は父に頼りきりでかなりの負担をかけてしまいました。
あのか細かった梅の苗木は、毎年少しずつ枝を伸ばし、今やっと木と木が隣同士、枝の手をつなげるようになりました。
病気も虫も、以前に比べたらずっと少なく生態系のバランスが取れ始めて来ているようです。
年々収穫できる梅の実も大きくなってきました。
残念ながら、手がけ始めてからちょうど20年目の2018年6月に、収穫の梅をすべて漬け込み終えてから、父正明は他界いたしました。
父の後を引き継いで、このきらきら輝く小さな農園で自然とともに、人間もまた成長しながら、目下奮闘中の伽羅農園です。
伽羅農園
住所: 千葉県鴨川市松尾寺183-1
電話: 0470-99-8051
本社
住所: 埼玉県入間市豊岡1-6-7
電話: 0429-64-4551
代表取締役:笠原孝子